2008 Fiscal Year Annual Research Report
インクジェット法を用いたカーボンナノチューブ透明電極の開発に関する研究
Project/Area Number |
20810006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沖本 治哉 Tohoku University, 金属材料研究所, 産学官連携研究員 (20510168)
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Keywords | ナノチューブ / 薄膜デバイス / インクジェット塗布 / 透明電極 |
Research Abstract |
本研究では、インクジェット塗布法を用いてカーボンナノチューブ透明電極を作製することを目的とする。これは、近年、資源の枯渇が問題視されている透明導電膜材料であるITOの代替材料として高い導電性を有するカーボンナノチューブに着眼した研究である。さらに、高度に分離された金属性カーボンナノチューブと簡便な成膜技術であるインクジェット法を併用することで、汎用で優れた伝導性をもつ透明導電膜を達成することを最終目標とする。本年度は、CNT膜の精密な制御(特にCNTの膜密度の制御)に重点を置くとともに、その膜構造評価を原子間力顕微鏡・走査型電子顕微鏡で行なった。使用したカーボンナノチューブは、レーザー蒸発法・HiPco法・アーク放電法で作製されたものを使うとともに、密度勾配遠心法で分離された金属濃縮CNTも使用した。 結果として、CNT分散液を基板に塗布する際の滴下回数・滴下間隔で、膜密度を自在に制御する方法を確立した。いずれの方法もほぼ同様の膜制御が達成できた。また、分散液の作製条件(特に、分散に必要な超音波照射時間と単分散に必要な遠心処理の時間)を調整することで、長さ分布の異なる膜の作製を行なった。AFM測定の結果から、バンドルサイズについては、塗布回数に応じて徐々に増加するものの、ほぼ、最初の分散液の状態を反映する結果となった。さらに、伝導特性を評価した結果、膜密度に比例して導電性を変調させることに成功した。また、基板にUV/Ozon処理を施すことで、均一な膜の作製を行なった。来年度は、透過率と導電性の評価を行なっていく予定である。
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