2008 Fiscal Year Annual Research Report
クラスレートハイドレートを利用するガス分離・貯蔵技術に関する基礎研究
Project/Area Number |
20810016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 俊輔 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00506446)
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Keywords | 化学工学 / 環境技術 / 環境材料 / 省エネルギー / 水素 |
Research Abstract |
本研究では、クラスレートハイドレートを利用するコンパクトかつ高効率なガス分離・貯蔵技術の確立を目指し、ハイドレート籠を通じたガス分子の拡散機構の解明とそのモデル化を目的としている。平成20年度は、構造II型のTetrahydrofuran(THF)ハイドレートに対して、圧力スイングによる水素の吸蔵・放出実験を、種々の温度・圧力条件にて実施した。THFハイドレートにおいて、ハイドレート籠非破壊の可逆的な水素の吸蔵・放出が可能であることを確認した。水素吸蔵量は圧力の上昇に伴って増大し、構造II型単位格子の最大吸蔵量1.05 mass%に到達する。各温度における水素吸蔵量は、圧力に対してLangmuir型の吸着等温線でフィッティング可能であり、低温になるほど同圧力条件における吸蔵量は増大する[研究成果論文、"Storage Capacity of Hydrogen in Tetrahydrofuran Hydrate"]。また、THFハイドレートへの水素吸蔵プロセスは、ハイドレートへの水素吸着と、ハイドレート籠を通じた水素拡散の二段階で成り立ち、両段階においてハイドーレート内外の水素フガシティー差が推進力となる可能性を見出した。さらに、予備実験において、THFハイドレートと同等の水素吸蔵量を呈し、かつ数倍の吸蔵速度を持つハイドレートを発見した。以上の知見は、ハイドレート内におけるガス拡散性の解明につながる重要な情報であり、省エネルギー・高効率なガス分離・貯蔵技術の開発に不可欠である。 ガス分離に肉いては、膜状のハイドレートを調製・整形する装置の設計・開発に取り組んだ。装置と実験系はおおむね完成しており、平成21年度に向けて予備実験、本測定へと進める予定である。
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Research Products
(8 results)