2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ正極材料におけるリチウムイオン拡散現象への界面効果の解析
Project/Area Number |
20810029
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大久保 將史 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エネルギー技術研究部門, 研究職 (20453673)
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Keywords | リチウムイオン2次電池 / 正極材料 / ナノ粒子 / ナノイオニクス |
Research Abstract |
近年の地球温暖化対策、省エネルギー化に極めて有力な打開策となりうる高性能2次電池、特に、リチウムイオン2次電池における高性能型正極材料の開発を目指し、安価かつ安定な構造を持つLiMn_2O_4について、水熱反応を利用したナノ化の研究開発を行った。 合成されたナノ結晶LiMn_2O_4は、詳細な電気化学解析(定電流法、定電圧法、インピーダンススペクトル)、構造解析(粉末X線構造解析、EXAFS)、電子状態解析(X線吸収、FT-IR、Raman、磁化率測定)により15nm以下の粒子では2相共存領域が消失していることが分かった。この原因として、界面拡散誘起相境界移動モデル(DIGM)を仮定した2相共存下でのリチウムイオン脱挿入反応の理論構築、及び、解析技術の確立を行った。 特に、ポテンシャルステップ法を2相共存領域を示す電極材料に適用する方法論としてJohnson-Mehl-Avramiモデルを利用し、相境界移動の活性化エネルギーを定義した上で解析した。この結果、ナノ化による表面エネルギーの増大により固溶限が拡大し、それに伴うエネルギー障壁の減少が活性化エネルギーの低下に結びつくことを明らかにした。 以上の結果から、相共存領域を有する電極材料であっても、ナノ化により2相共存領域の消失を図ることで高出力化が可能であることを示し、実際、ナノ結晶LiMn2O4を電極材料として使用した電池は10Cでの放電が可能な高出力を達成した。
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Research Products
(11 results)