2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20810032
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
荒木 圭子 Tokai University, 教養学部, 講師 (00512633)
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Keywords | アフリカ / 米国:南アフリカ / パン・アフリカニズム / アフリカン・ディアスポラ |
Research Abstract |
本研究は、歴史研究であるため、初年度は史料の収集を中心に行った。 平成20年度の研究実施計画は、以下の通りである。 (1)アフリカ正教会のアメリカ合衆国での設立背景やガーヴィー運動との関係について、アメリカ合衆国で収集した史料をもとに検証 (2)南アフリカにおける独立教会運動についての基礎調査 (3)他地域(ケニア、ウガンダ、ルワンダ)におけるアフリカ正教会の受容に関する予備調査 (1)に関しては、夏期休暇中、米国アトランタのエモリー大学を中心に行った史料調査(*この調査自体は科学研究補助金によるものではない)で収集してきた史料(デジタルカメラで3,000枚以上)を現在解読中である。また、ガーヴィー運動の機関誌や科学研究補助金で購入したマイクロフィルム資料のなかで、アフリカ正教会に関する部分を探し出し、運動のなかにおける位置づけをしている最中である。 (2)と(3)に関しては、2009年3月3日から22日まで、南アフリカ、ウガンダ、ルワンダで調査を行った。南アフリカにおいては、プレトリアとケープタウンの国立公文書館やウィットウォータースランド大学で資料収集を行い、3,000枚以上の画像を得ることができた。 ウガンダに関しては、出発前には史料の所蔵に関する情報が皆無であったが、今回の調査でそれを明確にすることができた。とくに実際のアフリカ正教会がみつかり、司教と会見することができたのは大きな成果である。教会の所有する史料について、教会施設に宿泊して調査することが可能との確約も得られた。 本研究は、アメリカ合衆国〜南アフリカ〜東アフリカにおける黒人運動の「連鎖」を検証するものであるが、平成20年度に行った研究により、ここには「連鎖」だけでなく「断絶」も見られることが分かった。平成21年度は史料の精読と分析を行う。今後のさらなる研究により、複線的な歴史の実態が明らかにできると考えている。
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