2009 Fiscal Year Annual Research Report
リスク知覚遅れの診断・教育装置の実用化に関する研究
Project/Area Number |
20810033
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
島崎 敢 Waseda University, 人間科学学術院, 助手 (70508358)
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Keywords | ハザード知覚 / 注視行動 / 事故反復者 / タッチパネル / 運転者教育 |
Research Abstract |
アイカメラを用いた先行研究によれば,事故反復者はハザードの発見が遅いことが明らかとなっている.しかし、アイカメラは高額な上に分析に時間と専門知識が必要である.従って,より多くのドライバーのハザード発見遅れを診断するためには,コストの低い方法を開発する必要がある. 本研究では汎用コンピュータとタッチパネルディスプレイ,専用ソフトウエアを用いてハザード発見遅れ診断装置を開発し,アイカメラを用いたのと同様の結果を導きだすことを試みた。 交通環境の写真30枚を乗用車運転席付近から撮影し,刺激画像とした.実験参加者にはタッチパネルディスプレイ上に表示される刺激画像の中のハザードを普段運転するときに見るのと同じようにタッチペンでタッチするよう求めた. 刺激画像の一部を用いた注視とタッチの一致度検証実験では,実験参加者は注視した対象のうち平均69.3%の対象をタッチしており,タッチした対象のうち平均80.7%の対象を注視していることがわかった. 本実験は25名のタクシードライバーを対象にハザードタッチ実験を行った.その結果、事故反復者は刺激提示開始後の最初のタッチが遅いこと,刺激提示から2秒までにタッチした潜在ハザードが優良運転者に比べて少ないこと,いくつかの潜在的ハザードに対するタッチが遅いことが明らかとなった. この結果はアイカメラを用いた先行研究を支持する結果であり,アイカメラを用いないタッチパネル式の簡便な装置でもハザードの発見遅れを検出することができた. 今後は,より多くのドライバーに水平展開を図るために,ハザード領域の指定や診断結果の出力などを自動化していく必要がある.
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Research Products
(2 results)