2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20820010
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大杉 豊 Tsukuba University of Technology, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (60451704)
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Keywords | 言語学 / 手話 / 言語地図 / 方言 |
Research Abstract |
日本における日本語の方言調査では国立国語研究所が設立以来取り組んでいる諸研究が知られているが、本研究は日本における手話言語についても同様に方言調査が可能か、言い換えれば手話言語地図の作成が可能であるかを探求するものである。二年間の研究で手話言語地図のプロトタイプを製作し公開することを第一目的とし、初年度にあたる平成20年度は予備調査期間と位置づけた。 予備調査地点として札幌地域と岡山地域を選定した。両地域とも地域内に高等部、専攻科まで含むろう学校が存在し、そのろう学校の卒業生がろう者コミュニティの中核を占めている点で共通している。また、両地域の手話に他の地域では見られない語彙が観察されることも選定の要因となった。 それぞれの地域で、ろう学校に6年間以上在籍した経験を持つろう者10名に研究者自身が対面調査を行い、ビデオに記録する方法を取った。10名は30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代各2名とし、出来る限り男女各1名となるよう調整を行った。対面調査では50語用意した日本語の単語を1片ずつ紙に印刷した形で提示して、それに対応する手話単語を表出してもらう方法とした。 調査の結果、各地域における一貫性のパターンがいくつか得られた。本研究に有意義と思われるものは、年代によって違う形が使われているパターン、年代と関係なく同じ形が使われているパターンの二種類であり、また両地域で違う形の手話単語が使用されている状況も確認された。 この結果をもとに、平成21年度に実施する本調査で使用する日本語の単語30語を選定した。【犬、猫、猿、鶏、卵、日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、寄宿舎、通学、体育、国語、旅行、日本、フランス、おじいさん、おばあさん、東、西、南、北、茶色、ピンク色、100円、300円、1000円】
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