2008 Fiscal Year Annual Research Report
言語能力とテスト方法がテスト得点へ与える影響:多特性多方法を用いた研究のメタ分析
Project/Area Number |
20820020
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
印南 洋 Toyohashi University of Technology, 工学部, 講師 (80508747)
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Keywords | メタ分析 / 言語能力 / テスト方法 / 多特性多方法 / multitrait / multimethod |
Research Abstract |
本研究の目的は、多特性多方法を用いた今までの研究を系統的に収集し、それを共分散構造分析で再分析し、その結果を統合することで、「言語能力」(trait)および「テスト方法」(method)が「テスト得点」に与える影響についての現在の最良の知見を得ることである。更には、言語能力およびテスト方法の影響に関連する要因を特定することも目指す。 研究方法は、公刊・未公刊両方の先行研究を幅広く収集するため、以下3点の方法を用いた。第1に、ERICなどのデータベースを使用した。第2に、言語テスト、第2言語習得、教育測定の分野の本、ジャーナルを参照した。第3に、多特性多方法の影響を研究している研究者に連絡を取り、関連する先行研究についての情報を聞いた。収集した先行研究を、特徴ごと(例:L1の研究か、L2の研究か)にコーディングした。コーディングは、訓練を受けた複数の研究者で行った。その後、各先行研究ごとに言語能力およびテスト方法の影響の大きさを算出し、それらの値を研究間で統合した。 研究の結果、以下の2点が分かった。第1に、第1言語・第2言語両方の研究に共通した最適なモデルは、言語能力とテスト方法の両方を含むモデルであった。したがって、構成概念を定義する最適な方法は言語能力とテスト方法の両方を含む場合であることが示唆される。第2に、第1言語の研究間で最も指示された能力構造モデルは言語能力とテスト方法の両方を含むモデルであった。一方、第2言語の研究間で最も指示された能力構造モデルは単一の言語能力を含むモデルであった。研究結果は論文にまとめ、投稿中である。
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