2008 Fiscal Year Annual Research Report
西蔵出土梵文写本研究、ゲッティンゲンコレクションの網羅的解明
Project/Area Number |
20820060
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
加納 和雄 Koyasan University, 文学部, 助教 (00509523)
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Keywords | 仏教学 / 写本学 / 梵文写本 / 国際研究者交流 / ドイツ:インド:中国 |
Research Abstract |
研究実施計画書に沿って以下の3項目の計画を遂行した。1、ゲッティンゲン所蔵梵文写本写真コレクションの電子化と全体像の把握。2、同資料の解読研究。3、ローマコレクションにおける梵文写本写真資料の解読研究。各項目の詳細は以下の通り。 1、平成20年8月および平成21年2月にゲッティンゲンを訪れ、スキャナを用いて写真資料を電子化した。今回までに電子化しえた資料はコレクション全体の7割ほどに及ぶ。またコレクションの全体像を管見するために、ドイツ語で著された同コレクションの目録の序文を和訳し、最新の情報を補足した上で、『高野山大学論叢』44号に寄稿した(下掲第1論文)。 2、アバヤーカラグプタ著『アームナーヤマンジャリー』の断片として比定された写本原本Cod. ms. sanscr. 259bを苫米地等流氏(ウィーン国立科学アカデミー)と協力して解読し、成果をハンブルグ大学学術誌『タントリックスタディーズ』に寄稿した(下掲第6論文)。また写真資料Xc14/34所収のヴァイローチャナラクシタ著『二十論語釈』、『法法性分別論語釈』、『三十論語釈』、『荘厳経論語釈』の解読を進め、このうち前二者の校訂テクストをイタリア国立アジアアフリカ研究所の学術叢書『マニスクリプタ・ブッディカ』に寄稿。 3、ローマコレクションの写本写真を解読し、サッジャナ著『荘厳経論要義』、シャーンタラクシタ著『律義二十註』、著者不明『荘厳経論注』、著者不明『プラティバンダシッディ註』の各断片を比定し、成果を『印度学仏教学研究』に寄稿した(下掲第2論文)。
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Research Products
(8 results)