2008 Fiscal Year Annual Research Report
古代イタリアの農業立地に関する考古学・経済地理学的分析
Project/Area Number |
20820062
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Research Institution | Beppu University |
Principal Investigator |
池口 守 Beppu University, 文学部, 准教授 (20469399)
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Keywords | ローマ史 / 西洋古代史 / 動物考古学 / 農業史 / 経済地理学 / 表面踏査 / ティベル河谷プロジェクト / 農業立地 |
Research Abstract |
2008年3月にケンブリッジ大学で学位を取得したPh.D.論文The Dynamics of Agricultural Locations in Roman Italyの刊行を目標に,論文の修正作業を行ってきた。初年度は第1章の表面踏査データのアップデートを中心に研究をすすめ,平成20年10月にはイタリア(カプリ島)での学会で成果の一部を発表した。平成21年2月〜3月には再び渡欧して,ケンブリッジ大学での考古学データの渉猟を行い,ガーンジー名誉教授,ケリー博士,パターソン博士から,Ph.D.論文刊行のための具体的なアドバイスを受けた。その後オランダのライデン大学で予定どおり講演を行い,ド・リヒト教授,シンホル博士,タコマ博士らから,論文の修正に役立つ重要なコメントを戴いた。また,表面踏査で著名なビントリフ教授は,池口のデータ分析法を採用しているギリシアのボイオティア地方での調査に池口を招待してくれており,平成21年8月に訪問して意見交換をしたいと考えている。平成21年3月末には,東京での国際学会においてPh.D.第3章(動物考古学データを用いた畜産の分析)をもとに発表を行い,好評を得た。なお,イタリアの動物考古学を先導するレッチェ大学(パスクアーレ教授等)からは,当大学で一定期間研究に従事することを提案されており,まずは平成21年3月の渡欧中,レッチェに数日間滞在して実験室等を案内され,有意義であった。動物考古学研究所長のデ・グロッシ教授との相談の結果,平成23年3月頃に数週間の滞在をすることで一応の合意ができた。これは本研究期間終了後になるが,Ph.D.論文を修正する大きな鍵になる計画であり,これを経た上でPh.D.論文を出版するよう,ケンブリッジ大学での指導教授であったガーンジー氏から勧められている。
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Research Products
(3 results)