2008 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄津堅島方言における格助詞の複合形および呼応的表現の研究
Project/Area Number |
20820063
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
又吉 里美 Shigakukan University, 人間関係学部, 講師 (60513364)
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Keywords | 国語学 / 方言学 / 琉球方言 / 津堅島方言 |
Research Abstract |
1.琉球方言関係の文献および日本語史、日本語文法に関連する文献により、琉球方言および日本語における格助詞研究の現状を整理した。その結果、日本語の格助詞研究については、音韻論などに比べて、研究が不足していることが明らかとなった。ただし、琉球諸方言の音韻、文法などを一通り記述しようとする記述方言学が若手研究者を中心にはじめられており、琉球諸方言の格助詞の記述もなされつつある。しかし、格助詞の複合形や呼応関係に注目した研究は管見の限り本研究のみであるといえる 2.資料整理を行った。これまでに収集した方言資料を整理し、津堅島方言における「格助詞+格助詞」の表現、格助詞の呼応的表現を整理した。これまでに収集した方言資料を整理したところ、「格助詞+格助詞」の形態として「ニ+カラ」の形があることが指摘できるが、「ニ」を時間表示の「ニ」として扱うべきかどうかの検討が必要となった。すなわち、「時間表現+ニカラ」の形式が見られないからである。この用法については、引き続き、検討中である。 3.自然会話の聞き取り調査を行った。本研究の目的である格助詞の複合形および格助詞の呼応関係については、面接調査ではその方言形式が得られにくい。したがって、自然会話の調査を行い、自然会話中に表れる方言形式に注目する必要がある。そのため、自然会話の方言調査を平成20年度はのべ17回行った。また、その会話中から得られた方言形式をもとに、面接調査票を作成する手がかりを得ることができた。
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