2009 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄津堅島方言における格助詞の複合形および呼応的表現の研究
Project/Area Number |
20820063
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
又吉 里美 Shigakukan University, 人間関係学部, 講師 (60513364)
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Keywords | 津堅島方言 / 琉球方言 / 格助詞 / 文法 / 呼応関係 |
Research Abstract |
本研究は津堅島方言の格助詞について複合形式や呼応関係にも注目して、その機能をより明確にとらえようとするものである。平成21年度の主な研究実績を挙げると以下のとおりである。1)本年度も会話の聞き取り調査を行い、その中で現れる格助詞の使用実態について考察を進めた。1回の会話資料の中に複合形や呼応関係をもつ格助詞の用法が現れないことも多々あるが、それ故に、得られた使用例は貴重なデータであると言えよう。また、多くの会話資料を得ることができたのも本研究の大きな成果である。2)津堅島方言の格助詞のうち、特に呼応関係のあるものとして「~カラ~シ」「~カラ~マリ」の使用実態およびその機能差を分析・考察することができた。特に、「~カラ~シ」には標準日本語の「~から~へ」に対応する機能の他、列挙に関する機能があることを見出すことができた。3)2009年9月14日から18日にかけてSlovenijaのUnniversity of Mariboruで開かれた6th SIDG Congresssにて発表を行った。発表内容は呼応関係に注目した格助詞の使用とその機能についてである。また、方言研究に関わるものとして、ヨーロッパを生地とする地理言語学の手法の様々を知る機会ともなり、多くの知見を得ることができた。4)本研究の成果を報告書としてまとめた。内容は、格助詞の複合形および呼応関係を持つ助詞を含んだ会話の文字化資料、津堅島方言の格助詞の機能をまとめたものである。
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Research Products
(2 results)