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2009 Fiscal Year Annual Research Report

近世期における王朝物語享受ネットワークについての研究

Research Project

Project/Area Number 20820065
Research InstitutionMatsue National College of Technology

Principal Investigator

小川 陽子  Matsue National College of Technology, 人文科学科, 助教 (50512266)

Keywords源氏学 / 一条兼良 / 『源語装束抄并肖柏問答抄 / 有職家 / 『紹巴抄』 / 三条西公条 / 黒川春村 / 『古物語類字鈔』
Research Abstract

本年度は、中世から近世、近世から近代という、それぞれ時代の過渡期において王朝物語がいかに受容され、研究成果や学問あるいはその基盤がいかに受け継がれ、展開したかという問題を重点的に扱った。
まず中世から近世については、『源氏物語』をベースに、源氏学とそこに分かちがたく存在した有職学に的を絞って検討した。具体的には、宮内庁書陵部所蔵『源語装束抄并肖柏問答抄』を起点として検討を行い、一条兼良の源氏学が、後継者たちによって書名のとおり「装束」という側面に特化した形で受容された結果、近世においても有職家たちに受容されたことを明らかにした。また同じく中世から近世にかけての源氏学の展開について、『紹巴抄』に関する考察結果を論考化した。
次に近世から近代については、黒川春村の『古物語類字鈔』を中心に検証した。『古物語類字鈔』が作成された背景には、江戸末期に和学者たちの間で物語を総合的に扱い考察する機運が高まったことが認められる。一方、『古物語類字鈔』は明治期において近代の国文学者たちにも大いに参照され、そのことが現代における『古物語類字鈔』利用にも繋がっていると思しい。このように『古物語類字鈔』が明治期に用いられたのは、春村が和学講談所に属していたこと、当時の同僚たちならびに黒川家の後続たちが明治期の国文学研究を担う立場にあったことが少なからず影響していることを明らかにした。この問題については、来年度論考化していくこととしたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2010 2009

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 展示資料検討報告-特別展示「物語の生成と受容」-2010

    • Author(s)
      小川陽子, ほか
    • Journal Title

      物語の生成と受容 5

      Pages: 142-149 223-226

  • [Journal Article] 黒川春村『古物語類字鈔』の発展2010

    • Author(s)
      小川陽子
    • Journal Title

      古代中世国文学 25(未定)

  • [Journal Article] 『源氏物語抄(紹巴抄)』と先行注釈-三条西公条との関わりを中心に-2009

    • Author(s)
      小川陽子
    • Journal Title

      国文学攷 202

      Pages: 33-45

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 『源氏物語』と有職学-一条兼良から冬良、そして近世へ-2009

    • Author(s)
      小川陽子
    • Journal Title

      平安文学の古注釈と受容 2

      Pages: 161-177

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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