2009 Fiscal Year Annual Research Report
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20820072
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
国武 貞克 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 都城発掘調査部, 研究員 (50511721)
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Keywords | 更新世末期 / 社会変化 / 居住形態論 / 石器石材 / 石材獲得戦略 / 石材消費戦略 / 移動領域 / 高原山黒曜石原産地遺跡群 |
Research Abstract |
本研究は、旧石器時代の移動生活を基本としたバンド社会から、縄文時代の定住生活を基本とした部族社会に至る社会変化を、居住形態の変化を追跡する視点から解明することを目的としている。その際、具体的な移動領域や移動ルート、及び集団サイズや離合集散の検討を通じて、各細別時期の人類集団の居住行動についての古民族誌的な理解を目指している。関東地方から中部、北陸地方の石器群を主たる対象として、石材獲得戦略と消費戦略からみた居住行動分析が主な方法である。本年は、関東地方の旧石器時代の主要な石材産地である栃木県高原山黒曜石原産地遺跡の発掘調査を行い、後期旧石器時代初頭に遡る石器群を検出することが出来た。この資料の整理作業と分析は今後の課題となった。 また、昨年度検出した、縄文時代草創期の大型の槍先形尖頭器の製作址の資料を詳細に整理し報告した。そして、このデータをもとにして、更新世末期から完新世初頭にかけての資源獲得行動からみた社会変化についての論考を作成した。またこの研究成果をもとにして、一部を関東地方の資源利用の実態の一例として公開シンポジウムで発表した。また高原山黒曜石原産地遺跡群の最新の調査成果をまとめて、考古学ジャーナルに発表した。 ほかに関東地方から近年出土した旧石器時代前半期の資料の資料調査を実施し、これまで作成したモデルの検証を行った。現在、これらの新たに獲得したデータをもとにして、より詳細な居住行動モデルを検討しているところである。
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Research Products
(3 results)