2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20830053
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神吉 直人 Kagawa University, 経済学部, 講師 (90467671)
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Keywords | プロジェクト組織 / 文化コンテンツ産業 / ネットワーク分析 |
Research Abstract |
本研究では、文化コンテンツの生産に用いられるプロジェクト組織のマネジメントにおける課題である、ベストメンバーの選択の困難さと彼らのコミットメントを引き出すことに対して、巻込能力の概念枠組みを構築し、その量的分析を実施することを目的としていた。 実施計画に記したように、インタビューをもとにデータを蓄積した。計画時に審査中であった『組織科学』に投稿中の論文は、残念ながら期間内にまとめることはできなかった(今後も継続して改稿する)。しかし、同論文の査読担当シニアエディターとのやり取りの中で、プロジェクト組織における暗黙的知識の形式化に関する記述は進んでおり、近い将来完成する見通しである(やり取りの中で、巻込能力の概念枠組みを整理する前に、まず雑誌編集のプロジェクト組織で実際に起こっていることを丹念に記述することが必要であるという指摘を受け、それに従うことが有意義であると考えた。そのため概念枠組みの構築は今後の課題として残っている)。 また、ネットワーク分析の技法に関して、ネットワーク分析を経営学に応用する際の注意点を論文にまとめた。これは、ネットワーク分析を経営学に応用する際に生じる疑念に対して、その違和感を明示し、論点の整理をしたものである。具体的には、経営学者からネットワーク分析に対して向けられる疑念は、因果図式の問題と構成概念と指標に関する妥当性の問題(内的妥当性と構成概念妥当性)に着目することで整理できることを示した。
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