2009 Fiscal Year Annual Research Report
昭和戦前期における高等師範学校附属小学校の歴史教育実践に関する実証的研究
Project/Area Number |
20830060
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福田 喜彦 Ehime University, 教育学部, 講師 (30510888)
|
Keywords | 歴史教育実践 / 高等師範学校附属小学校 / 歴史教育雑誌 / 昭和戦前期 |
Research Abstract |
本研究の目的は,初等教育段階での歴史授業論に焦点を当て,歴史教育改革の代表的実践校であった東京高等師範学校附属小学校,広島高等師範学校附属小学校,東京女子高等師範学校附属小学校,奈良女子高等師範学校附属小学校での4つの歴史教育実践を教科教育学的なアプローチから考察することである。 そこで,初等教育研究会『教育研究』(東京高等師範学校附属小学校),学校教育研究会『学校教育』(広島高等師範学校附属小学校),児童教育研究会『児童教育』(東京女子高等師範学校附属小学校),学習研究会『学習研究』(奈良女子高等師範学校附属小学校)の4つの機関誌から高等師範学校附属小学校の歴史教育実践を実証的に明らかにした。 平成21年度の研究成果は以下の3点である。 第一に,広島高等師範学校附属小学校の理会主義歴史教育論について,大久保馨を中心にしながら,その理論と実践の特質を明らかにした。広島高等師範学校附属小学校の学校教育研究会が発行した『学校教育』に大久保が論考を発表するのは,1921年2月号(第92号)が初出で,以後,1939年9月号(第324号)まで継続的に論考を発表している。そこで,『学校教育』に発表された大久保の歴史教育に関する論考と著作を主な対象として分析を行った。 第二に,東京高等師範学校附属小学校の説話主義歴史教育論について,山田義直を中心にしながら,その理論と実践の特質を明らかにした。同校の国史科の訓導であった山田は,東京高等師範学校附属小学校の初等教育研究会が発行した『教育研究』に第125号(1914年)から第367号(1931年)まで継続的に論稿を投稿している。そこで,『教育研究』に発表された山田の歴史教育に関する論考と著作を主な対象として分析を行った。 第三に,4つの高等師範学校附属小学校の歴史教育論の類型化を行い,その歴史教育実践の特色を明らかにした。
|
Research Products
(4 results)