2008 Fiscal Year Annual Research Report
中核企業が持つ外部組織の管理能力と競争力に関する研究:デジタルカメラ産業の事例
Project/Area Number |
20830061
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中道 一心 Kochi University, 教育研究部人文社会科学系, 講師 (60512001)
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Keywords | 経営学 / 競争力 / 外部組織 / デジタルスチルカメラ |
Research Abstract |
この研究の目的は、デジタルスチルカメラ(以下、DSC)産業において、なぜ、日本企業(群)が持続的な国際競争力を有しているのかについて、中核企業が持つ外部組織の管理能力に着目して解明することである。ここでいう外部組織とは、OEM/ODM企業や企業グループの外にいる部品サプライヤーである。主たる研究課題は、(1)なぜ、中核企業は巧みにOEM/ODM企業を活用できるのか、その背後にある組織能力とはどのようなものか、(2)オープンな部品取引が根付いているなかで、中核企業は部品サプライヤーをどのように管理しているのか、という2点である。 2008年度は下記について集中的に研究を進めた。 (1)OEM/ODM企業を管理する能力について フィルムカメラ時代にもOEM/ODM取引が活発に行われていた。中核企業が持つOEM/ODM企業に対する管理能力に、フィルムカメラ時代の経験がどのような影響を持っているのかを確認するために、フィルムカメラ企業およびそのOEM/ODM発注先であった企業に聞取り調査を実施した。このことで、発注側の論理、受注側の論理を含めた管理やインセンティブに関する声を集約した。 (2)部品サプライヤーを管理する能力について 中核企業と部品サプライヤーとの共同開発の事例を業界雑誌、『日経エレクトロニクス』『日経ものづくり』『映像情報メディア学会誌』、『日本写真学会誌』などからリストアップし、調査対象企業を選定した。 そして、リストアップした調査対象企業(中核企業、部品サプライヤー)に対し、共同開発をどのように行っているのか、その開発部品はどのように管理されるのか、部品サプライヤーはどのようなインセンティブを得ているのかの3点について、聞取り調査を行うことで、中核企業が持つ部品サプライヤーに対する管理能力を具体的に把握した。一方で、共同開発から離れて、中核企業が新製品を開発する際、部品サプライヤーにどのような情報を提供し、どう発注先を確定するのかといったプロセスについて、また、部品サプライヤーが独自に部品開発を行う際、何を重視しながら、どのようなプロセスを踏んでいるのかについて、インタビュー調査を通して明らかにすることで、中核企業および部品サプライヤーが共同開発に対して持つ意義を相対的に理解することに努めた。
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Research Products
(2 results)