2008 Fiscal Year Annual Research Report
英国における「ものづくりの国」日本のイメージと日本技術教育観に関する史的研究
Project/Area Number |
20830081
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
平岡 麻里 Nippon Institute of Technology, 工学部, 講師 (40458500)
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Keywords | 教育学 / 教育史 / 比較教育 |
Research Abstract |
日英教育交渉史における日本技術教育観を、「英国から日本」の視点で捉えなおすために、幅広くイギリス人の日本のものづくりに関するイメージを収集した。もっとも早い時期のイギリス人の日本観はマルコ・ポーロや16世紀に来日したスペイン人やポルトガル人の宣教師の記述によって形成されているので、それらから検討をはじめ、最初のイギリス人来日者であるウィリアム・アダムズと日本における英国商館関係者、および鎖国期はオランダ商館関係者など、イギリス人だけでなく、イギリス人の日本観に影響を与えた他国人の著作も取り扱った。開国期には、ペリー提督をはじめとするアメリカ人やイギリス人外交官、旅行者、プラントハンターなどが、日本人のものづくりの力と将来の発展に関して肯定的に発言していることは興味深い。今回扱った文献は日本関連書としては特に珍しいものではないが、「ものづくりの国」としての日本イメージにのみに特化した調査は珍しい。 次に、上述の研究を背景として、明治期の日本技術教育に関するイギリス人のイメージを調査するために、ヘンリー・ダイアーに関する先行研究を検討し、必要な一次文献も収集した。また、W. E.アユトンとJ.ペリーの日本から帰国した後のロンドンでの実践に関して現地調査を行い、彼ら自身の著作および関連の新聞や雑誌の記事も収集した。彼らに関しては先行研究が少ないため、これらは今後の研究に重要な史料となるはずである。 若手研究(スタートアップ)の初年度の実質的研究期間は半年であるため、収集した史料の分析はこれらからであるが、平成21年7月には国際学会での発表を予定している。
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