2008 Fiscal Year Annual Research Report
望ましい医療経営実現のための病院とステークホルダーとの相互作用
Project/Area Number |
20830083
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Research Institution | Bunri University of Hospitality |
Principal Investigator |
内田 亨 Bunri University of Hospitality, サービス経営学部, 准教授 (50453460)
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Keywords | 経営学 / 医療・福祉 / 情報開示 / ガバナンス / ステークホルダー / フランス / 病院 / 医療機関 |
Research Abstract |
1.具体的内容 平成20年度では、すでに構築していたマルセイユ国立大学病院グループとステークホルダーとの相互作用モデルを深堀した。具体的には、まず、「コミュニケーション」の定義、基盤、目的等の基本的な意味合いを明確にした。そして、病院内組織におけるコミュニケーション部と他の部署の組織間意識の違いを参与観察およびインタビュー調査によって明らかにした。また、コミュニケーション部とメディアとの関係性においては、その趣旨、頻度、コミュニケーション部の戦略的なメディア対応について明らかにした。 一方、国内の医療機関では、S総合病院、S協同病院、K総合病院の広報部(兼任も含む)にインタビューし、フランスの状況を紹介した。その上で、日本の医療機関における広報部の実態調査をするため、質問票の精緻化を行う。完成した質問票は、日本の大学病院(国公立私立)に郵送した。 2.意義・重要性 フランスの国立大学病院グループでの実例は、今後の日本の医療機関における広報部のあり方に関して示唆に富むものであった。広報部がコミュニケーションをどうとらえ、内部および外部ステークホルダーとどのような関係性を持ち、どう対処していくべきかは、これから広報部を設置しようとする医療機関のベンチマークとなると思われる。 なお、上記の研究成果の一部は、日本クリニカル・ガバナンス研究会、ITヘルスケア学会での発表を行った。また、西武文理大学研究紀要に投稿をした。 3.平成21年度の計画 今後、さらに、フランスの二つの国立大学病院グループの調査を行い、マルセイユの事例を精緻化し、少しでも一般化できるよう邁進する。同時に質問票調査の回答結果を分析し、日本の現状を把握した上で、日本の医療機関における限られた資源の中でオプティマイズされた、広報部のモデルを構築していく。
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