2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20830091
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
高田 茂臣 Daito Bunka University, 経営学部, 講師 (30453666)
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Keywords | 近代史 / 農業革命 / 所領経営 / ハンガリー |
Research Abstract |
2008年度は、近代ハンガリー所領経営史に関する資料蒐集のための準備研究と、資料蒐集そのものを主要課題とした。はじめに本格的研究に至る準備作業として、近代ハンガリー所領経営史研究の論点、研究史の流れを整理し、その中から二つの代表的な農業地域であるドナウ河以西と大平原の個別所領を取り上げて比較・検討した。つぎに、現地Webサイト・OPAC、メール交換等を利用した予備資料調査の結果、二次文献を包括的に所蔵する国立セーチェーニ図書館(ブダペシュト)と、「パラヴィツィーニ家ミンゼント=アルジュー所領文書」を所蔵するチョングラード県立文書館(セゲド)を主な資料蒐集先に選定した。最後に、3月の現地資料蒐集の結果、二次文献の包括的な蒐集と一部文書館史料の蒐集に成功した。それらの資料のほとんどが日本の研究史では取り上げられておらず、その分析と成果の取りまとめ・公表は、わが国の従来の研究を補完する重要な業績のひとつになると思われる。また、ハンガリー出張の直後に行なわれた第8回経済空間史研究会例会での拙著(『19世紀ハンガリーの産業革命-ハンガリー資本主義像の再検討一』大東文化大学経営研究所研究叢書、2008年)合評会によって、本科研費研究課題・研究目的(ハンガリー所領経営の生産構造の解明)の意義を再確認することができた。なお、若手研究(スタートアップ)は9月スタートの研究種目であるため、まだ成果物の公表には至っていないが、2008年度の成果についてはさしあたり勤務先の紀要に取りまとめて公表する予定である。
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