2008 Fiscal Year Annual Research Report
エージェントの認識過程を含んだ新しい意思決定理論の経済学・ゲーム理論における展開
Project/Area Number |
20830095
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
佐藤 崇 Toyo University, 経済学部, 助教 (30511331)
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Keywords | 意思決定理論 / チャンネル理論 / 表象システム |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者らが提唱する、エージェントの認識過程を含んだ新しい意思決定理論を、既存の意思決定理論に立脚する経済学を基礎づけるとともに、既存の意思決定理論に対してアノマリーとして示されてきた選択行動をも基礎づける、より一般的な説明枠組みとして展開していこうとするものである。本研究では、平成20年度は、1.既存の経済学における消費理論の一つである特性アプローチを新しい意思決定理論のもとで記述すること、および、2.フレーミング効果やアレ・パラドックス、エルスバーグ・パラドックスといった既存の意思決定理論に対する反例としてよく知られた選択行動に、新しい意思決定理論から説明を与えることを計画していた。しかし平成20年度には、ベースとなる新しい意思決定理論を改訂し、新たな論文としてまとめるためにこれらの計画の実行はやや遅れることになってしまった。改訂されたベースとなる理論は、平成21年5月を目処に5本の論文として発改訂されたベースとなる理論は、平成21年5月を目処に5本の論文として発表され、海外の学術雑誌に投稿される予定になっている。改訂によって上記2のフレーミング効果などのアノマリーの説明により適したものとなっているので、計画が遅れているとは言え、「急がば回れ」の言葉どおりとなることが予期される。上記のような事情のため、平成20年度には報告書に記載できるような実績を挙げることはできなかったが、ベースとなる5本の論文を初めとして、平成21年度にはまとめて成果を報告できるものと考えている。
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