2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20830106
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大月 友 Waseda University, 人間科学学術院, 助教 (20508353)
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Keywords | 潜在的連合 / 社会不安 / Go / No-go Association Task |
Research Abstract |
本研究は、社会不安障害の認知メカニズムを解明することを目的とした。特に、認知の潜在的側面と顕在的側面に焦点を当て、それらが実際の社会的状況における個人の不安反応にどのような影響を及ぼすか、大学生を対象としたアナログ研究によって検討した。 27名の大学生を対象に、スピーチ場面での不安反応の諸様相(主観的不安感、精神生理学的反応、行動パフォーマンス[他者評価])と潜在的認知(社会的状況や自己に対する潜在的連合:GNAT/IATによる測定)、顕在的認知(パフォーマンスに対する自己評価、パフォーマンスに対する自己焦点型の注意:尺度による自己報告)の関連を検討した。その結果、パフォーマンスに対する自己評価、および、自己焦点型の注意が、スピーチ中の主観的不安感を予測し、潜在的認知と主観的不安感の関連は示されなかった。一方、潜在的認知は精神生理学的反応との関連を示した。行動パフォーマンスは、パフオーマンスに対する自己評価のみと関連していた。これらの結果から、認知の潜在的側面と顕在的側面は、それぞれ異なる不安の様相と関連をしていることが明らかとなった。また、質問紙尺度で測定された社会不安傾向は、スピーチ中の不安反応とは関連を示さず、パフォーマンスに対する自己評価と注意、そして、パフォーマンスに対する評価のバイアス(自己評価と他者評価のズレ)と関連を示した。 研究報告は、2010年3月の日本不安障害学会で発表を行った。また、6月にBostonで開催されるWorld Congress of Behavioral and Cognitive Therapies、12月の日本行動療法学会(名古屋)で発表予定である。
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Research Products
(1 results)