2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20830109
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
池田 仁人 Sagami Women's University, 学芸学部, 准教授 (70513175)
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Keywords | 生活科 / 科学的気付き / オノマトペ |
Research Abstract |
20年度は、計画に基づき生活科の活動を記録し、低学年の子どもたちが、自分の考えを説明する際、身振り手振り、仕草や、実際の行動で示そうとする傾向があることや、オノマトペが使われる場面が限定されていることなどを明らかにしてきた。21年度においては本研究の第2段階ということもあり、それら表現方法が他者にどのように受け止められるかなどの調査や追加調査等を行う予定であったが、計画時のような授業協力を得られなかったため、単に表現と言うだけでなく、伝達できたか、という観点で、調査を行ったデータの再検討を行った。その結果、以下のような傾向が見られた。 ・自らの気付き、知識の伝達には身振り(実演)や、たとえ話、一般的な言葉を使った表現を用いていることが多い。 ・自らの考えを伝えるときの特徴として話の順序を相手に分かりやすくし、話していると言うことが挙げられる。そういう場合は聞く側も最後まで聴いて理解しようという態度である。 また、幼年児の科学教育では先進的な立場である合衆国の理数科教育や子どもの実態を調査するべく、ミシガン州ノヴァイ市の幼稚園、小学校で調査を行った。この市においては日本では年長児から小4に相当する児童を一連のカリキュラムの中で教育している。幼児クラスから算数、科学の授業を行っており、影は光の反対側にできること、影絵において光源に近づくと影が大きくなっていくことなどに気付き、それらを一般的な言葉で順序よく表現することができていた。内容を絞ることによって、科学的な気付きを引き出し、それを明確に表現する力も付いてくることは明らかであるが、それを期待する社会的背景なども教育方法に関与している可能性も無視できない。また、低年齢児から教材を焦点化すると実質陶冶の教育に陥る可能性もある。従って、一概にノヴァイ市の模倣が科学的気付きや表現の発達につながると考えるのは早計であると考える。
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