2008 Fiscal Year Annual Research Report
ろう教育の有効性:聴覚障害者の基礎学力向上と真の社会参加を目指して
Project/Area Number |
20830119
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
坂本 徳仁 Ritsumeikan University, 衣笠総合研究機構, 研究員 (00513095)
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Keywords | 障害者政策 / ろう教育 / プログラム評価 |
Research Abstract |
平成20年度は本研究課題の目的を達成するために行なう三つの調査(計量分析、質的調査、海外との比較研究)の準備期間として位置づけられ、その調査を行なう過程で得られた成果が学術論文ないし研究会報告という形式にまとめられている。 第一に、論文「人口内耳装用児におけるリテラシー・言語・学力」は比較研究のために行なった文献調査の過程で生み出された研究成果である。本論文は、人口内耳の装用が聴覚障害児童の学力や読み書き能力、言語発達にどの程度効果があるのか、先行研究によって明らかにされたことないし示唆されることを展望したものであり、ろう教育における人口内耳の有効性と限界を明らかにしたところに教育・医療政策上の重要性がある。 第二に、聴覚障害者の生活問題として手話通訳に関する自治体・団体の現状を調査し、その成果を立命館大学での研究会「障害者の生活・教育支援研究会」において報告した。手話通訳制度は手話を主な意思伝達手段としている聴覚障害者にとって重要な生活問題であるにも関わらず、手話通訳者の不足や質の分散など多くの構造的問題に悩まされている。本研究はそのような問題を解決するために、どのような行政的支援や市場の活用が必要であるのか分析したものであり、聴覚障害者の生活改善の上で重要な意義をもつ。手話通訳に関する調査は現在も進行中であり、最終的には学術論文としてまとめることを目標としている。 第三に、聴覚障害児童の教育に関する計量分析と質的調査のために、いくつかのろう学校に調査協力を要請して、現在調査を継続中の段階にある。
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Research Products
(3 results)