2009 Fiscal Year Annual Research Report
生鮮サプライチェーンの変革に関する理論的・実証的分析
Project/Area Number |
20830129
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
広垣 光紀 Hiroshima University of Economics, 経済学部, 講師 (80454867)
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Keywords | 流通 / サプライチェーン / イノベーション / 小売 / 戦略行動 / 契約取引 / スポット取引 / 長期継続的取引関係 |
Research Abstract |
日本のサプライチェーン変革の背景とそのメカニズムを明らかにする研究の一つとして、近年とりわけ急激な変化を経験している生鮮食品のサプライチェーンを取り上げ、次の二点について研究を行っている。(1)生鮮食品のサプライチェーン変革における、日本型変革モデルの特徴の把握、(2)そのような変革をもたらす要因の分析、である。(1)については、サプライチェーン構成員である全国の生産者、卸、小売に対しインタビューを中心とする実態調査および統計調査を行っている。その結果、大手小売業の主導により、サプライチェーン内における主体間の取引は、従来の卸売市場を通じた短期的・スポット的な取引から、長期継続的・契約的な取引へと取引関係が変化していることが明らかとなった。しかし、欧米型の変革モデルにみられるような、生産者と小売業者の直接取引の進展と、それにともなう卸の排除が生じているわけではない。むしろ、生産者と小売をつなぐチャネル・コーディネーターとして、卸が取引において積極的な役割を果たしていることが日本型の変革モデルの特徴であることがわかった。(2)については、上記のような取引の変革をもたらしている要因として、(1)市場構造や各主体の組織規模といった競争構造、(2)物流、情報流に関するイノベーションといった技術変化、(3)差別化戦略やそれにまつわる取引コストへの対処といった大手小売業の戦略行動が挙げられることを明らかにした。くわえて、このような各要因が、それぞれどの程度の重要性をもってサプライチェーンの変革に影響を及ぼしているのかについて、生産・卸・小売に対してアンケート調査票を設計したうえ、北海道から九州にいたる全国の関連業者に対してアンケート調査を行っている。
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Research Products
(1 results)