2008 Fiscal Year Annual Research Report
政策評価結果の予算編成への活用-福岡県南部における行政評価・業績予算の実証的研究
Project/Area Number |
20830134
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Research Institution | College of Heathcare Management |
Principal Investigator |
茂木 康俊 College of Heathcare Management, 保健医療経営学部, 講師 (00452805)
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Keywords | 行政学 / 行政評価 / 政治学 / 公法学 / 政策評価 / OMB / 行政管理予算庁 / アメリカ連邦政府 |
Research Abstract |
平成20年度は主に米国における業績予算の理論と実態に関して検討を行った。年度前半は、特に米国行政学における予算理論やその中での業績予算の位置づけについて検討を行った。我が国の地方自治体レベルの業績予算の導入は、米国における業績予算の理論と事例の影響を大きく受けているためである。米国行政学の予算論では、業績予算制度の運用に大きな関連のある予算査定官庁の機能や行政における予算編成についての理論的検討が進んでいる。 平成20年度後半は、米国における業績予算の実態に関して研究を行った。米国連邦政府に導入された業績予算制度であるPART (Program Assessment Rating Tool)は2009年2月に2010会計年度予算編成分の評価結果が公表され、ジョージ・W・ブッシュ政権における運用は最後となった。2008年11月の大統領選挙では、共和党から民主党への政権交代が行われたため、今後は制度の変更が予想される。法制度の面では、1993年制定の政府業績結果法の、その後の政策評価制度や業績予算制度の導入への影響を検討し、同法の制定が業績予算制度としてのPARTの安定性の大きな要因であったことを確認した。 平成20年度後半には我が国における行政評価の具体的な事例について研究を行った。熊本県庁および熊本県菊陽町役場を訪れ、行政評価の担当者にインタビュー調査を行った。インタビュー調査の結果、当該自治体においては行政評価導入から数年が経過し、評価方法の見直しが進められており、事務作業の負担の軽減のため評価の簡素化・重点化が進められている点を確認した。以上の研究成果に基づき、政策評価・行政評価の研究方法と課題について、紀要に論文を公表した。
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