2009 Fiscal Year Annual Research Report
Bergman空間上の荷重合成作用素のコンパクト性と本質ノルムの研究
Project/Area Number |
20840004
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
植木 誠一郎 Ibaraki University, 工学部, 講師 (70512408)
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Keywords | Bergman空間 / Hardy空間 / Fock空間 / 荷重合成作用素 / 合成作用素 / 本質ノルム / Berezin変換 / Carleson測度 |
Research Abstract |
解析関数空間上の荷重合成作用素の有界性・コンパクト性を作用素を構成するsymbol関数uと写像φの持つ函数論的性質により特徴付ける研究が、多くの研究者達により活発な研究が継続されている。現在の研究動向は異なる関数空間の間に作用する場合の考察であるが、この研究の動機付けの1つとして、「N次元単位球で定義されるBergman空間上の合成作用素のnatural target spaceを見つける問題とそのコンパクト性の特徴付け」が挙げられる。本研究の初年度において、1変数Bergman空間上の荷重合成作用素のコンパクト性をuとφの持つ直接の境界挙動により特徴付けた。ここで得られた手法を応用することで、N次元単位球のBergman空間上の合成作用素に対する本質ノルムが写像φの角微係数の情報と比較可能であることを示した。Hardy空間とBergman空間の間に位置するある種の重み付きHardy空間を導入し、この上の荷重合成作用素の解析を行った。この結果を応用して、先行研究では未解決であった、Bergman空間からHardy空間への荷重合成作用素の有界性とコンパクト性に対する特徴付けをCarleson測度条件およびBerezin型積分変換の境界挙動を用いることで得ることができた。また、荷重合成作用素の一般化であるチェザロ型積分作用素の解析にも本研究過程における種々の計算が重み付きBanach空間の場合に応用できることが判明し、その有界性とコンパクト性の特徴付けを行った。さらに、Fock空間に関係する整関数から成る関数空間上の荷重合成作用素について考察し、uとφから構成される関数の無限遠点における挙動によりその有界性とコンパクト性を特徴付けた。その主結果から合成作用素を構成する写像φが1次関数の形しかないこと、全てのFock型空間上の合成作用素は同じ性質を持つことを明らかにした。
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Research Products
(11 results)