2008 Fiscal Year Annual Research Report
LHC-ATLAS実験における余剰次元探索のための研究
Project/Area Number |
20840008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯部 忠昭 The University of Tokyo, 素粒子物理国際研究センター, 特任助教 (40463880)
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Keywords | 素粒子 / 余剰次元 / ハドロンコライダー / ジェット |
Research Abstract |
本研究は欧州原子核研究機構のLHC(Large Hadron Collider)加速器を用いて行われるATLAS実験でのKaluza-Klein(KK)粒子の探索を通した、余剰次元発見に向けての研究である。LHC加速器での発見が示唆されているKK粒子を探索するため、実データを用いたTeV程度の商い運動量ジェットの校正やトップクォークやWボゾン等ジェット源の同定を本研究の主な研究内容としている。 本年度開始が予定されていたATLAS実験は、加速器の不調により運転開始が延期された。平成20年度は主に実データを用いた高運動量ジェットのエネルギー較正法の確立と、高エネルギートップ・Wボゾンから来るジェットの同定法の開発を行った。特に実験初期段階での発見が示唆されているKK粒子は多大なQCDバックグランドによりその探索が困難であると考えられていたが、本研究により開発された高運動量ジェットの同定法を用いる事により、そのバックグランドの強い抑制が可能である。これによりATLAS実験でのKK粒子の探索が可能になり、もレKK粒子の質量が2TeV/c^2程度以下の場合は、21年度に取得が見込まれている実験データ(重心系エネルギー10TeV,積算ルミノシティ200pb^<-1>)にて十分発見可能になった。 本研究の成果はATLAS physics meetingにて発表され、ATLASの文書として纏めた。本文書は現在レビュー中である。
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