2008 Fiscal Year Annual Research Report
暗黒物質探索実験における液体キセノンの散乱長、吸収長のモニタシステムの開発
Project/Area Number |
20840009
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 兼好 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 特任助教 (70466861)
|
Keywords | 暗黒物質 / 液体キセノン |
Research Abstract |
平成22年度に開始予定の暗黒物質ニュートラリーノの発見を目的とするXMASS実験の準備が進められている。ニュートラリーノが発見されると、暗黒物質問題を解明という宇宙物理学に貢献するだけでなく、素粒子の標準模型を超えた粒子の発見という素粒子物理学にも大きなインパクトを与える。XMASS実験では液体キセノンをターゲットとして用い、暗黒物質とキセノン原子核が反応したときに出るシンチレーション光を観測することにより暗黒物質を同定する。本実験ではその同定する際に重要な液体キセノン中でシンチレーション光の伝搬、つまり吸収長、散乱長を理解するためにモニタシステムの開発が目的である。XMASS実験では液体キセノンの入った検出器は直径10m、高さ10mの円筒形水タンクの中心におかれる。マイナス100度の液体キセノンの不純物を取り除くため水タンク中心の検出器からタンク外に配管が設けられ、タンク外の純化装置を通る。本モニタはこの純化装置の前に設置し、エキシマランプから液体キセノンに光をあて吸収長、散乱長を光電子増倍管で測定することを考えている。今年度は、この液体キセノンをモニタするためのモニタ装置、液体キセノンを真空断熱で温度をマイナス100度に保持するための真空容器の設計、および製作を行った。液体キセノンの入る装置は直径70mm長さ1270mmの円筒形をしており、片側から光が入り、液体キセノン中を通り、減衰した光が光電子増倍管でとらえられる仕組みである。
|