2009 Fiscal Year Annual Research Report
サブテラヘルツ波を用いたポジトロニウム超微細構造定数の精密測定
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20840010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末原 大幹 The University of Tokyo, 素粒子物理国際研究センター, 特任研究員 (20508387)
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Keywords | 素粒子実験 / 放射線、X線、粒子線 / ファブリー・ペロー共振器 / ジャイロトロン / ミリ波 / ポジトロニウム / 超微細構造 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、メッシュミラーと銅凹面ミラーを用いたファブリー・ペロー共振器の基本的な動作が確認された。本年度は本実験で使用するためのメッシュパラメータの最適化および測定システムの最適化を主に推進した。 共振器のパワー蓄積を最大化するには、共振器のフィネスを最大化するとともに共振モードに結合するパワーの割合(カップリング)も最大化しなければならない。前年度の研究ではフィネスは期待値に近い値が得られていたが、カップリングは本実験で使用するには不十分であった。共振モードに結合するのは内部共振モードと同じ形状で共振器に入射するパワー成分のみなので、光源の入射パワーのモード形状を共振モードのそれに近づける必要がある。共振モードはガウスビームなので、ジャイロトロンからTE03モードで出射される203GHz電磁波を擬ガウシアンモードに変換するモードコンバータの製作・試験を行った。基本的な動作は確認され、少なくとも50%以上がガウシアンモードに変換できることが確認できた。また、メッシュパラメータの最適化もカップリング・フィネス向上のため必要であり、このための電磁場シミュレーションを行い、パラメータの最適化を行った。フィネスに関してはいくつかのパラメータの試作メッシュにより予想性能が確認できた。 測定システムについてはGeant4を用いたモンテカルロシミュレーションを行い、コリメータや測定器の配置の最適化を行った。目標の共振器性能が達成できれば超微細遷移を観測可能であるという結果が得られた。
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