2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学・光線力学治療を目指したポルフィリン類縁体材料の創製
Project/Area Number |
20850004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 優章 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (90506891)
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Keywords | ポルフィリノイド / 芳香族 / 環拡張ポルフィリン / アヌレン / 金属錯体 / ポルフィリン |
Research Abstract |
非線形光学材料及び光線力学療法剤創製を目指して、新奇なポルフィリン類縁体の合成に着手した。まず、既知の方法を参照しオリゴビロール原料合成を行ったが、文献に記載されていない問題点を発見しこれを改善、より失敗の少ない手法を確立した。そのことにより前駆体・目的物だけでなく、周辺領域での合成が容易になったと言える。また、別プロジェクトからのフィードバックにより、これまでは導入困難で他のへテロ環と比較して報告例の少ないピリジン環を持ったオリゴビロールの合成法も見出した。これは、本研究の今後の展開を拡張するのみならず、ポルフィリノイドの構造化学・錯体化学の発展を大いに促しうるものであると期待できる。これらを利用して、同じく既知の手法でポルフィリノイド合成に着手した。各ステップを改良しつつ行ったところ、全行程で一切のカラムクロマトグラフィ精製を必要としない方法を見出した。収率等の改善点は多々あるが、将来的な応用展開を考えたとき、カラム精製を利用しない大量合成の可能性は、安価かつ環境負荷が低い点で非常に意義のあることであると思われる。 実際のところ、研究計画にあるベータアルキルヘキサフィリンは、一般に言われているように不安定であった。しかし、これまでは不安定化の理由がわからず改善策も検討されることはなかったが、本研究と最近の研究結果を照らし合わせることによってそのメカニズムが明らかとなれば、環拡張ポルフィリンの生成過程などの基礎化学的な観点からも興味深く、また更なる発展研究の可能性をも模索できるようになることも期待される。
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Research Products
(24 results)