2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学・光線力学治療を目指したポルフィリン類縁体材料の創製
Project/Area Number |
20850004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 優章 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 助教 (90506891)
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Keywords | ポルフィリノイド / 環拡張ポルフィリン / ヘキサフィリン / 金属錯体 / 芳香族性 / アヌレン |
Research Abstract |
非線形光学材料及び光線力学療法剤創製を目指して、新奇なポルフィリン類縁体の合成に着手した。標的化合物として定めたβアルキルヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)は、フリーベース・中性の状態で不安定であるためか、反応の再現性が乏しく、プロトン化状態での同定しか行われていなかった。合成法を見直し、酸化前駆体を単離する手法を採ったところ、最終段階の精製作業が大幅に簡略化し、再現性が向上しただけでなく中性状態のプロトンNMRスペクトルの測定も可能になった。その結果、プロトン化状態と同じように2箇所のメゾ位が内側を向いていることがわかった。さらに、亜鉛錯体にすることで安定性が増すことも分かった。強い芳香族性とポルフィリンに類似した光吸収特性を示し、X線結晶構造解析にも成功した。メゾフリーヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)の金属錯体あるいはヘキサフィリン(1.1.1.1.1.1)の亜鉛錯体において母核の芳香族性を維持したのは共に初めてである。しかしながら他の金属錯体に合成は成功しなかった。一方で、単離した前駆体の金属錯体化も試みた。原料にトリピランを用いると前駆体は分子内に2つのジピリンユニットを有した非共役環状構造になるが、種々検討した結果、BF_2錯体とRh(CO)_2錯体の合成に成功した。それぞれの前駆体錯体を足がかりとした芳香族化はできなかったが、出発原料の組み合わせにより様々な非環状共役配位子が創製できることがわかり、ポルフィリノイド前駆体の化学という新しいフィールド創出のきっかけになると期待される。
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Research Products
(12 results)