2009 Fiscal Year Annual Research Report
正四面体様構造を有するマクロモノマーからなる高強度ハイドロゲルの創製ハイドロゲルの創製
Project/Area Number |
20850012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 崇匡 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (70456151)
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Keywords | ハイドロゲル / 均一網目構造 / 理想高分子網目 / スターポリマー |
Research Abstract |
これまでに、我々は四官能性ポリエチレングリコール(PEG)をプレポリマーとした高分子反応により、均一網目構造を有する新規なハイドロゲル(Tetra-PEGゲル)を創製した。このゲルは均一構造に由来する高い力学強度を有しており、また二液混合によりon-siteで作成することができる。このゲルは高い均一性、力学物性、生体適合性、操作性を有しており、医療材料への応用だけにとどまらず、学術的な意味でも興味深い研究対象であると考えられる。20年度の実験結果より、最も高い強度を得ることのできるマクロマーの分子量や、組み合わせには最適値があることが明らかとなってきた。具体的には、分子量20,000Daのポリマーより作成されたハイドロゲルは他の分子量のポリマーから得られたものよりも高い力学強度を有していることが明らかになった。また、異なる分子量のポリマーから作成されたゲルは、同分子量のポリマーから得られたものと比較して、反応効率が低いことも明らかになった。21年度は、反応に用いるモジュールのサイズが力学特性に及ぼす影響について調べるために、小角中性子散乱を用いた構造解析を行った。その結果、モジュールサイズがあまりに小さい場合には、網目構造に不均一性が導入されることが明らかとなった。また、分子量10,000以上のモジュールを用いた場合には均一な網目構造が形成され、それらは類似の構造を有していることも明らかになった。 ゲル化反応を制御するために、ゲル化の反応機構について明らかにすべく様々な条件下においてゲル化反応の解析を行った。その結果、モジュール末端の官能基の反応性を考慮することにより、ゲル化反応の予測が可能であることが明らかになった。この結果は、今後のゲル化条件の策定のための指針となると考えられる。
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Research Products
(14 results)