2009 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的モデルポテンシャル法の拡張的発展による燐光ELランタニド錯体化学の新展開
Project/Area Number |
20850016
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
森 寛敏 Ochanomizu University, お茶大アカデミック・プロダクション, 特任助教 (90501825)
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Keywords | 相対論的モデル内殻ポテンシャル / 燐光EL錯体 / GAMESS / 相対論的分子軌道理論 |
Research Abstract |
H21年度は、前年度に開発した相対論的モデル内殻ポテンシャル(MCP)法の解析的二次微分コードシリアル版の並列化および,大規模分子軌道理論(フラグメント分軌道法)との連携,更に第一原理分子動力学計算のためのコード開発を行った。幾つかのランタニド含有分子に対して量子化学計算を実施,実験結果と比較検討することで、MCPを用いた分子軌道計算に置いて、相対論効果・電子相関の精度良い考慮が達成されていることを確認できた。具体的には,前年度までに開発しておいたランタニド元素用MCPを,水溶液中でのランタニドイオンの挙動解析および,発光性ランタニド錯体の電子状態解析に適用した。前者については,論文として報告済み,後者に関しては現在論文投稿準備中である。本研究で作成したコードは,ランタニド元素に適用範囲を限らないため,その他金属イオンの分子シミュレーションへの適用も実施した。本解析的MCP二次微分コードおよびフラグメント分子軌道法との連携コードは、量子化学プログラムパッケージGAMESSを基盤に作成した。本成果は、ランタニドイオンが関わる,溶液化学・錯体化学分野における,MCP法の有用性を示すものと位置づけることができる。今後,本プロジェクトにて開発したコードを広く知って頂き,活用して頂けるよう精力的に活動をしていく。
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Research Products
(6 results)