2008 Fiscal Year Annual Research Report
水-油界面局在構造の4次のコヒーレントラマン分光による観測
Project/Area Number |
20850026
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野本 知理 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環分子フォトサイエンス研究センター, 学術研究員 (00510520)
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Keywords | 表面・界面物性 / 振動分光法 / 非線形分光法 / 分子科学 / 物理化学 |
Research Abstract |
界面の振動スペクトルを選択的にプローブ可能な手法は光、電子、イオンや探針を用いるいくつかの手法があるが、水-油界面のような液中に埋もれた界面の分子構造も検出可能な方法としては、界面のみで許容となる偶数次の非線型光学を用いた非線形分光法を用いることになる。4次のコヒーレントラマン分光法は、4次という偶数次の光学過程を用いることで界面選択性を持ちつつ、紫外・可視光を用いることで溶媒の赤外吸収を避けて界面の振動スペクトル測定を行うことができる新しい振動分光法である。この手法を時間領域で行うことで、他の手法では測定し得なかった100〜1000cm-1の低波数振動を界面選択的に得ることが可能となる。 平成20年度は4次コヒーレントラマン分光法の水-油界面への適用に先立ち、4次コヒーレントラマン分光法における入射偏光依存性測定の有効性を検討すると同時に解析手法の確立も行うために、二酸化チタン表面に対して空気中および液中に埋もれた状態で4次コヒーレントラマン測定を行うと共に測定装置の改良を行った。スペクトル解析として振動スペクトルの帰属を行った結果、固体フォノンに対しては偏光依存性測定により測定された振動モードの帰属が可能になったことから、偏光依存性測定が大きなスペクトル変化をもたらし振動モードの帰属に活用できることがわかった。今後は水-油界面に対しても同様に4次コヒーレントラマン分光測定の適用を行う予定である。
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