2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの特性を利用した積層型ナノ構造体の構築と光電変換への応用
Project/Area Number |
20850031
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
高田 忠雄 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 助教 (60511699)
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Keywords | DNA / 光電デバイス / 光エネルギー / ナノテクノロジー / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
DNAは遺伝情報を司る生体高分子であるとともに、高度な相補塩基認識能から実現されるナノ構造体を構築するための分子材料としての性質も合わせ持っている。さらに、DNAはそのらせん軸に沿って一次元状に電子あるいはホールを輸送することが明らかにされており、導電性材料としての応用も期待されている。本研究では、“生体分子"としてのDNAと“分子材料"としてのDNAの特徴を生かし、空間・配向・距離が制御された機能性分子の集積化を電極上で実現し、センシングや光電変換機能を持つボトムアップ型新規ナノ構造体の構築を研究の目的とする。具体的には、光機能性分子を修飾した核酸塩基三リン酸体を設計し、その修飾塩基をポリメラーゼによってテンプレートDNAに対して連続的に取り込ませることで、DNA上への機能性分子の集積化を行う。この手法により、DNAをホール輸送層、DNA周囲に電子輸送層が形成された同軸型ナノケーブル、電子ドナー分子とアクセプター分子を並べた積層型ナノ構造体の構築を行い、高い効率で光エネルギー捕集と光電変換を実現するDNAナノデバイスの構築を目指す。今年度は、光レドックス活性を有するアントラキノンを光機能分子として選択し、ウリジンの5位にアセチレンを介してアントラキノンを修飾した三リン酸誘導体の合成を行った。合成した三リン酸誘導体のポリメラーゼによるプライマー伸長反応についてゲル電気泳動を用いて検討した結果、アデニンに対して修飾ウリジン三リン酸体が効率よく、選択的に取り込まれることを明らかにした。アデニン-チミン繰り返し配列においても効率よく反応が進行し、本手法を用いることで光機能分子であるアントラキノンを複数、連続的にDNAに導入することが可能であることを示した。
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