2008 Fiscal Year Annual Research Report
Siバルク結晶の粒界制御成長による双晶超格子の創生と新機能発現
Project/Area Number |
20860003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沓掛 健太朗 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (00463795)
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Keywords | 結晶成長 / シリコン / 双晶 / 超格子 / 結晶欠陥 |
Research Abstract |
本研究では、Siバルク結晶中の双晶超格子による新機能の発現と、同一Si基板上の多機能デバイスの実現を目指し、複合種結晶を用いて結晶成長を行い、バルク結晶中に多重双晶を形成する手法を基礎として、1. Siバルク結晶の成長過程における双晶形成メカニズムを明らかにする。2. 形成メカニズムに基づき、間隔が制御された双晶超格子を作製する。3. 双晶超格子の基礎的物性を明らかにし、受光・発光デバイスを試作する。ことを目的にしている。本研究の2ヵ年計画の内、平成20年度は、双晶形成メカニズムの解明を試みた。 0.1°以下の傾角ずれおよび、ねじれずれを有する複合種結晶を用いて、人工的に粒界を形成したSiバルク結晶の成長を行った。さらに、成長後の結晶を成長方向に水平な断面で切断後、SEM-EBSP法およびX線回折法を用いて方位解析を行い、双晶を含む欠陥の分布を調べた。その結果、傾角ずれを有する粒界の周囲には多数の双晶が平行に並んだ多重双晶が観察された。一方、ねじれずれを有する粒界の周囲では、双晶はほとんど観察されず、転位や転位が集合した亜粒界の顕著な発生が観察された。これらのことは、傾角ずれが双晶形成に必要な要素であることを示している。また、複合種結晶で与えたずれ角は、結晶成長に伴う双晶や転位の発生とともに変化していたが、両者の関係を明らかにするには、ずれ角をパラメータとしたより系統的な実験を行う必要がある。
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Research Products
(5 results)