2009 Fiscal Year Annual Research Report
Siバルク結晶の粒界制御成長による双晶超格子の創生と新機能発現
Project/Area Number |
20860003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沓掛 健太朗 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (00463795)
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Keywords | 結晶成長 / シリコン / 双晶 / 超格子 / 結晶欠陥 |
Research Abstract |
本研究では、Siバルク結晶中の双晶超格子による新機能の発現と、同一Si基板上の多機能デバイスの実現を目指し、複合種結晶を用いて結晶成長を行い、バルク結晶中に多重双晶を形成する手法を基礎として、1.Siバルク結晶の成長過程における双晶形成メカニズムを明らかにする。2.形成メカニズムに基づき、間隔が制御された双晶超格子を作製する。3.双晶超格子の基礎的物性を明らかにし、受光・発光デバイスを試作する。ことを目的にしている。平成20年度の研究成果をもとに、本年度は双晶形成に対する結晶成長条件の影響解明および特性評価を試みた。 双晶形成に対する結晶成長条件(特に結晶成長速度)の影響を調べるため、結晶成長の過程で意図的に成長速度を変化させた実験を行った。その結果、双晶は結晶成長速度が変化(増加)するときに発生することを明らかにした。重要な点は、双晶形成には成長速度の"大きさ"よりも"変化"が影響を与えることである。この結果は、長年考えられてきた欠陥形成メカニズムとは異なり、新たなメカニズムの構築につながる重要な発見である。 特性評価としては、多重双晶を一部に含むSi結晶の試料表面近傍にpn接合を形成し、可視光を照射した際の光電流の位置依存性を調べた。その結果、多重双晶の周囲で光電流が減少していた。この原因を調べるため、TEMおよびXRDによる解析を行った結果、多重双晶の周囲に多数の転位が存在していることがわかった。これらの転位は結晶成長距離とともに増殖しており、今後、双晶超格子の特性を向上するためには転位発生の抑制が課題となる。
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Research Products
(5 results)