2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 愛 Tohoku University, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40463781)
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Keywords | シンタリング / 粒成長 / 貴金属担持触媒 / 酸化物担体 / 3次元キネティックモンテカルロ法 / モデル化 / 経時劣化 / 自動車触媒 |
Research Abstract |
触媒の経時劣化は試作品や法規制ごとに耐久性能を評価する実験的手法で確認されている。耐久してみて初めて高耐久品が絞り込めても同レベルの品質の製品を製造できなかったり、実験的耐久手法そのものに要する時間と労力の効率化や省エネの観点からも、理論的代替手法が望まれてきた。自動車触媒の耐久性や浄化性能が、貴金属・助触媒・担体の組み合わせに大きく依存することから、多成分系自動車触媒のモデリング手法の原型をつくる事に成功した。複数種のμmサイズのセラミクス担体から構成される担体上に、複数種のnmサイズの貴金属種が担持されるという、現実的な触媒構造を3次元的にモデル化する手法を開発することに成功した。これにより、担体および貴金属はそれぞれ成分比・粒度分布に対応して構成され、実際の透過電子顕微鏡によって確認できる多成分の粒子状態を再現できるようになった。並行して、キネティックモンテカルロ法に基づく触媒表面上貴金属の経時劣化シミュレータの原型についても開発を進めた。触媒の劣化が進行する際には、粒子の拡散、衝突、結合、肥大化といった一連の現象が起こる。こうした担体そのものの熱的耐久性が材料類ごとに異なったり、担持している担体の種類によって貴金属のシンタリングの度合いが異なったりするミクロな特徴を、キネティックモンテカルロ法の確立頻度に採用し、粒子を扱うμmレベルの巨視的計算に反映させ、長時間に亘るシンタリングの経時特性を理論的に予測できることに成功した。これら一連の開発した要素技術を、異種担体上に同重量%の貴金属が担持された触媒に適用し、貴金属のシンタリングの度合いが異種担体上では定量的に異なることを実証できるようになった。「触媒のシンタリングおよび粒成長に関する理論的研究」は、第103回触媒討論会での注目研究発表に取上げられた。http://www.shokubai.org/meeting/topics/103_2P30.pdf
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