2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境微生物の機能解明に不可欠なシングルセルレベルでの視覚的な遺伝子検出技術の開発
Project/Area Number |
20860009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (80455807)
|
Keywords | microbial autecology / シングルセル / two-pass TSA-FISH法 / mcr遺伝子 / gap遺伝子 / aps遺伝子 / 視覚的検出技術 |
Research Abstract |
本研究はmicrobial autecology(微生物をシングルセルレベルで解析すること)の確立に貢献すべく、微生物の機能遺伝子を細胞を破壊せず視覚的に検出可能な技術を提供することを目的として行われている。そこで申請者の研究グループが開発したtwo-pass TSA-FISH法を用いた遺伝子検出技術の開発を行った。プローブにはオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドプローブを用い、モデル微生物系としてメタン生成古細菌のMethanococcus maripaludis、Methanococcus vannileii、Methanoculleus chikugoensisを用いた。標的遺伝子にはメタン生成反応を触媒するMetbyl co-enzyme M reductaseをコードするmcr遺伝子とした。オリゴヌクレオチドプローブは、mcrに特異的なPCRプライマーをプローブとして用いた。ポリヌクレオチドプローブは標的微生物のゲノムDNAをテンプレートとしたPCR法により、プローブ中にDNP標識dUTPを取り込ませたものを合成して用いた。その結果、純菌レベルではオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドプローブ共に微生物の遺伝子をtwo-pass TSA-FISH法を用いれば可視化することが可能であった(TSA-FISH法では困難)。シグナルノイズ比で見るとポリヌクレオチドプローブを用いた方が明らかに高かった事から、より実用的なのはポリヌクレオチドプローブであると判断した。ポリヌクレオチドプローブを用いた場合、150bp、465bp、756bpのいずれの長さでも検出可能であった。またプローブの長さが長い方が、より高い検出率およびシグナルノイズ比を示した。一方で、より短いプローブを用いた方が、より特異的な検出が可能となった。この他大腸菌のgap遺伝子、硫酸還元菌のaps遺伝子の検出にも成功し、本技術が様々な遺伝子および微生物に対して適用可能であることを示した。
|
Research Products
(2 results)