2008 Fiscal Year Annual Research Report
紫外域フォトデバイス用酸化亜鉛半導体の電極形成機構の解明
Project/Area Number |
20860014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 光浩 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (00510546)
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Keywords | 界面 / 電子顕微鏡 / 電極 / 酸化亜鉛 |
Research Abstract |
紫外域フォトデバイスの母体材料となるn型酸化亜鉛(ZnO)には、整流特性を生み出すショットキー障壁を作る金属との接合が必要である。しかしながら実用化の一歩手前で、安定なショットキー障壁を伴う電極形成の技術的な問題に直面している。界面電気特性を設計するための従来のショットキーモデルでは、系の組み合わせだけで説明しており、材料の高性能化・高機能化につれ、対応が限界にきている。現在、界面原子構造の依存性まで考えたモデルの構築が要求されている。ショットキー特性を示す界面だけでなく、オーミック特性を示す界面も含めて、その界面形成機構を統一的に解明するため、実際にショットキー界面とオーミック界面について、その接合状態を、原子レベルで観察・比較することで、どのような局所原子構造が物性に反映しているか知見を得ることが重要である。仕事関数の大きい金属Pt, Ni, Pd, Tiなどのエピタキシャル膜がn型ZnO単結晶との電極の候補として考えられた。しかしZnO-金属間の電気特性の測定結果によると、Pdだけが整流特性を示すショットキー的な電気伝導を示すことが報告された。本研究では、Pd/ZnO系をショットキーモデル界面として採用した。また、経験的に優れたオーミック特性が得られることが知られているTi_3SiC_2/p型4H-SiC界面をオーミックモデル界面として採用した。エピタキシャルPd/ZnO界面とエピタキシャルTi_3SiC_2/SiC界面それぞれを作成し、空間分解能1Aを保有する超高圧高分解能透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM-ARMI250)によって、ショットキー界面とオーミック界面の局所原子構造観察を行った。さらに高分解能電子顕微鏡像の直接的な解釈は困難なため、像計算を行い、定量的に局所原子構造の決定を行った。現段階では、界面局所原子構造は、基板のイオン性や共有結合性に強く影響されることが推察された。
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