2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森戸 春彦 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (80463800)
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Keywords | 環境材料 / 結晶成長 / 太陽電池 / シリコン / ナトリウム / 状態図 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、太陽電池材料として優れた特性を有するシリコン(Si)単結晶を、ナトリウム(Na)金属融液を用いた新しい手法を用いて育成することである。具体的には本手法を用いて、主にSi単結晶の育成を様々な条件で試み、それらの形態や結晶性を評価し、その特性向上を目指す。さらに、アルカリ金属融液中でのSiの反応機構を明らかにし、本手法をSi単結晶の新しい育成手法として確立することを目的とする。 本年度はアルカリ金属融液を用いたSi単結晶の育成に欠かせないNa-Si二元系状態図の作製に注力して研究を進めた。Na-Siの熱分析を行うために、本研究室で所有するグローブボックス内に自作の熱分析装置(示差熱・熱重量同時測定 : TG-DTA)を設置した。熱分析の結果から、NaSiの融点は798℃、NaSiとNaおよびSiの共晶温度はそれぞれ680℃および750℃であることが明らかにした。そして、世界で初めてNa-Siの二元系状態図を作成した。作成した状態図をもとに、Siを溶かしたNa溶液を800℃または900℃で加熱し、溶媒のNaを蒸発させることで、厚さ約20μmのSi薄膜や粒径が約100μmの粒状単結晶を作製することに成功した。本研究の成果はSi結晶の低温作製やSi系化合物の低温作製へと応用が期待される。本研究の成果論文はJ. Alloys & Comp. に投稿して、現在On lineで閲覧可能になっている。また、金属学会や応用物理学会にて本研究に関する口頭発表を行った。特許も現在申請中である。
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