2008 Fiscal Year Annual Research Report
有限周波数特性に基づく分布定数系の統一的ロバスト制御系設計:ビヘイビアアプローチ
Project/Area Number |
20860025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 千昭 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (00456162)
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Keywords | 統合化設計 / ロバスト制御 / 有限周波数特性 / 消散性理論 / ビヘイビアシステム理論 / 分布定数系 / 双対性 |
Research Abstract |
本年度は、有限周波数特性に基づくロバスト制御系設計のための基礎結果の導出に重点を置いた。具体的には、(i)有限周波数特性解析(ii)分布定数系の安定解析(iii)半正定値計画問題の双対性の3つのサブテーマを、ビヘイビアアプローチの消散性理論で重要な役割を果たす2次微分形式に基づいて考察した。上記の解析に関するサブテーマは予定通り遂行できたが、制御系設計は着手できなかったため平成21年度へと持ち越しとなった。 (i)有限周波数特性解析では、集中定数系の有限周波数特性が、変化率に制約のあるサブシステムの消散性に等価であることを示した。本成果はSICE Annual Conference 2008にて発表し、現在国際論文誌に投稿中である。さらに、本成果を多次元システムへと一般化し、消散性と線形行列不等式に基づく有限周波数特性の特徴付けを、それぞれSICE第37回制御理論シンポジウムおよびSICE第9回制御部門大会にて発表した。 (ii)分布定数系の安定解析は、当初の研究計画を変更して遂行した。主要な成果として、2次元(離散時間)分布定数系の安定性の必要十分条件を、2次微分形式と周波数依存型の多項式行列方程式を用いてそれぞれ与えた。本成果は、48th IEEE CDC-CCCなどの国際会議にて発表し、国際論文誌にも採録決定となった。なお、変更時の研究計画に含まれていた分布定数系の逆最適制御は、現在も継続して考察中である。 (iii)半正定値計画問題の双対性に関しては、従来の線形行列不等式に基づく枠組みを2次微分形式へと展開させた。その結果、集中定数系が漸近安定ではないための必要十分条件を導出した。この結果は、ロバスト安定性の厳密な判定において有効であると期待される。本成果は47th IEEE CDC 2008にて発表し、現在国際論文誌に投稿準備中である。
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Research Products
(9 results)