2009 Fiscal Year Annual Research Report
都市ノンポイント汚染源由来のフッ素系界面活性剤の動態解析とリスク評価
Project/Area Number |
20860026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 道夫 The University of Tokyo, 総括プロジェクト機構(水の知), 特任助教 (50509932)
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Keywords | 環境分析 / 土木環境システム |
Research Abstract |
都市河川及び水源を対象に、ポイントソース及びノンポイントソースからのフッ素系界面活性剤(PFSs)の負荷量とリスクを評価することを本研究の目的とした。 本年度は、東京都水道局の取水先である秋ヶ瀬取水堰より上流に位置する入間川の出丸橋にて、晴天時及び雨天時に経時的なサンプリングを行った。晴天時と雨天時のPFSs濃度及び負荷量を比較した結果、PFOSは雨天時に増加傾向が見られながったのに対し、フッ素系カルボン酸類(PFCAs)に関しては顕著な増加が確認された。PFCAsは、PFOSと比べ、相対的にノンポイントソースからの寄与が大きいと考えられた。このことは、雨天時道路排水中のPFOS濃度が流入下水や下水処理水と比べて低いが、PFCAs濃度は同程度かそれ以上という結果と合致していた。特に、PFOAは、雨天時において、米国New Jersey州の水道水の指針値を超える濃度まで上昇しており、水道水を経由したリスクが高いことが懸念された。 さらに、PFSsの組成比の違いに着目し、ポイントソースとノンポイントソースからのPFSsの寄与率を評価した。解析対象として、比較的長期間の汚染の暴露を受けた媒体である東京都の地下水を取り上げた。土壌への分配によってPFCAsの組成比が浸透過程で変化するものの、短鎖と長鎖の組成比、偶数鎖と奇数鎖の組成比の2つの指標を用いることで、ノンポイントソースからの寄与率の最小値と最大値を推定することができた。東京都の地下水中のPFCAsのノンポイントソースからの寄与率は16~46%と推定された。
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