2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊豫本 直子 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任准教授 (40508173)
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Keywords | 放射線、X線、粒子線 / 分光 / 超伝導材料・素子 / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
本研究は、数百keVから1MeV程度を対象とするガンマ線マイクロカロリメータにおいて、検出器内部でのガンマ線吸収位置の計測とそれによるエネルギー分解能の改善を実証することを目的とする。マイクロカロリメータは温度計と吸収体からなるが、本研究における検出器製作では吸収体を市販の素材から切り出すことと吸収体と温度計との接着が新たな開発項目となる。温度計はマイクロマシンニングで製作するが、既存の設計を利用することで製作時間を短縮する。性能評価ではマイクロカロリメータを冷凍機で冷却してガンマ線照射を行ない、データ処理により位置検出とエネルギー分解能の改善を実現する。平成20年度は性能評価の準備と、検出器製作を行なった。 検出器製作では、吸収体は市販の鉛(超伝導体)のバルクの素材を購入して、1mm x lmm x lmmなどの直方体を放電加工で切り出して製作した。温度計は東京大学武田先端知ビルVDECにおいて既存のマイクロマシンニング装置を使用して製作した。吸収体と温度計の接続は極低温用の接着剤を使用して、接着用のジグを製作して行なった。 マイクロカロリメータは微小な温度変化を読み出す装置であるため動作には0.1K程度の極低温が必要であり、性能評価には冷凍機が必要である。本研究では既存の断熱消磁冷凍機を使用する。温度計の出力は超伝導量子干渉計(SQUID: Superconducting Quantum Interference Devices)で測定する。冷凍機への本研究用の検出器のマウント用のステージ、検出器の駆動と信号読み出しのための配線、SQUIDへの外部磁場の影響を防ぐための磁気シールドなどを設計、製作、冷却して、本研究のためのセットアップでSQUIDが正常に動作することを確認した。
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