2009 Fiscal Year Annual Research Report
安定地中貯留を目指した液体CO2超微粒化メカニズムの解明と粒径制御に関する研究
Project/Area Number |
20860035
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
植村 豪 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (70515163)
|
Keywords | 地中貯留 / 超微粒化 |
Research Abstract |
前年度に得られた微粒化メカニズムに関する知見を元に,微粒化液体CO2の粒径を制御し,帯水層を形成するベレア砂岩中に実際に圧入した.耐圧70気圧の高圧容器中に水飽和したベレア砂岩を保持し,液体CO2をそのまま圧入した場合と,微粒化した液体CO2を圧入した場合について,X線CTを用いて砂岩内部におけるCO2の三次元的な浸透,分布状態を調べた.砂岩内の断面図において,液体CO2は60%以上の高いCO2飽和度を有する領域が散在し,ノズルから圧入されたCO2は砂岩の多孔質構造の限られた経路を選択的に浸透することが分かった.砂岩中に存在する層理構造や局所的な空孔径の違いから,濡れ性の悪いCO2は砂岩内で空隙の狭い経路は通りにくく,相対的に空隙の広い経路を選択して浸透するため,CO2置換率が高い領域と,全くCO2が浸透していない領域が散在すると考えられる.一方,微粒化液体CO2を圧入した場合,経路によらず30-50%程度でほぼ均質に分布している様子が捉えられた.砂岩内には層理構造が存在しているものの,CO2の分布は砂岩内の多孔質構造にはほとんど依存しない.これは微粒化したCO2液滴の代表直径がBerea砂岩の代表空隙径も小さい約2μmであったため,砂岩内のほとんどの空隙を通過したと考えられる.しかし層理構造や砂岩内の一部にはCO2置換率が10%以下の領域も存在しており,CO2液滴直径よりも小さい空隙部分でCO2の浸透が阻まれたことを示唆している.
|