2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゴサマー宇宙構造物の動特性同定法と振動制御法に関する研究
Project/Area Number |
20860037
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 啓 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (40516001)
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Keywords | 宇宙構造物 / 膜構造 / 動特性同定 / 振動制御 / 加振系 / 振動試験 / 有限要素法 / ピエゾアクチュエータ |
Research Abstract |
本研究では,膜・ケーブルを主たる構造要素とする宇宙構造物(=ゴサマー構造)において,軽量・高収納率という利点を保ちつつより高機能の構造を実現することを目指し,構造系と振動制御系の同時設計を行うための基盤技術開発を目指している.初年度であるH20年の活動では,宇宙構造の研究の経験がなかった研究室に新たに,簡易な実験が行える環境を整備し,減圧環境で宇宙膜構造を模擬した構造モデルの振動試験を行うことができた.さらに,研究代表者が以前から開発してきた幾何学的非線形有限要素法を用いた構造解析プログラムを拡張し,柔軟な梁構造の過渡応答のシミュレーションを行えるようにした.張力をかけて懸架した膜構造の動特性を同定するために実施した振動試験においては,適切な試験方法を見出すために,3つの異なる加振方法を比較・評価した.すなわち,(i)従来型の電磁加振機による加振,(ii)電磁石を用いた非接触加振,(iii)小型ピエゾアクチュエータを用いた加振,である.(iii)のピエゾアクチュエータを用いて減圧環境で膜の振動試験を行った先行研究は少ないが,本研究でその有用性を実証できた.さらに(iii)の加振系は小型であるため,H21年度に行う予定の振動制御アクチェータ開発に特に有用であると考えている.以上のようにH20年度の活動により,H21年度に振動制御系の開発とその数値解析を実施する,その基礎となる技術を獲得することができた.
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