2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20860038
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高垣 敦 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (30456157)
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Keywords | 固体酸触媒 / バイオマス変換 / 脱水反応 / 無水糖 / イオン交換樹脂 / スルホ基 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、バイオマスの中でも糖類基本単位であるグルコースを原料とし、付加価値の高い化合物を高選択的に合成できる固体触媒を開発することである。より具体的には、固体酸塩基触媒を用いてグルコースの選択的な脱水反応を行い、無水糖(レボグルコサンら)を合成するための知見を得ることを目的とした。ゼオライト、粘土鉱物、金属酸化物、イオン交換樹脂等の各種固体酸塩基触媒を用い、グルコースから無水糖の合成を検討した。ゼオライト、粘土鉱物、金属酸化物等はグルコースの転化率が低く、無水糖が全く得られなかったのに対し、スルホ基を有するイオン交換樹脂は同反応条件にて高い転化率にて無水糖が得られた。得られた無水糖は1,6-anhydro-beta-D-glucopyranose(レボグルコサン)および1, 6-anhydro-beta-D-glucofuranoseであり、それぞれの生成量はほぼ等量であった。本反応は水中では全く進行せず、DMF、DMSO等の非プロトン性極性溶媒にて効率よく反応が進行した。イオン交換樹脂(Nafion、Amberlyst)とp-TsOH、硫酸を酸触媒として用い、酸量を合わせて反応を行った場合、同程度のグルコース転化率においてAmberlystでの無水糖選択率が最も高かった。Amberlystにおいて393K、3時間にて反応を行った場合、転化率88%、無水糖選択率は71%であった。来年度においては、この知見からスルホ基の酸強度、密度を厳密に制御した固体酸触媒を設計し、本反応との相関を明らかにしていく。
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Research Products
(3 results)