2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高温高圧溶融状態からの高密度二酸化物ガラスの合成
Project/Area Number |
20860044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 健 Nagoya University, 工学研究科, 助教 (40509030)
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Keywords | 超高温高圧 / 二酸化物 / ダイヤモンドアンビルセル / ガラス / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究の最終年度は,平成20年度の段階で確立した高温高圧実験技術を用いて超高温高圧溶融状態からの高密度SiO_2ガラスの合成とその構造解析および分析に主眼をおいて研究を遂行した.前年度のGeO_2に対する研究結果から酸素超臨界を用いることでルチル型酸化物は,超高温高圧下において中空角柱状に結晶成長をすることがわかった.身近な14族酸化物であるSiO_2とSnO_2はGeO_2と同様超高圧下ではRutile型構造を有する.このRutile型構造は,光触媒として有名なTiO_2が有する興味深い結晶構造である.そこで本研究では,GeO_2の他にSiO_2,SnO_2についてそれぞれ15.1GPa,5.1GPa以下の圧力範囲で融解実験を行った.SiO_2をKClO_4圧力媒体に挟み,15.1GPa・約3,000℃以上で加熱後,常圧回収した試料はRutile型GeO_2と同様,中空角柱状の結晶を確認した.また,KClを圧力媒体にして融解実験をおこなうと,ナノオーダーの球状試料を得ることができた.現在,透過型電子顕微鏡を用いてこの球状試料が結晶であるかガラスであるか解析している途中である.角柱状結晶をナノオーダーで中空状に加工することは非常に困難である.従って,結晶成長の条件を制御することでこのような形態の物質を得ることができれば非常に興味深い.今後,物性測定などをおこない新規物性の発現が確認できれば大きな飛躍が期待される.本研究で得られた一連の成果は平成21年7月に東京で開かれる第22回国際高圧力会議で発表した.また,共同研究者である大学院生が国内の日本金属学会・秋季大会で発表した〔学会発表参照〕.GeO_2の結果は投稿論文としてまとめ出版された〔雑誌論文参照〕.
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Research Products
(9 results)