2009 Fiscal Year Annual Research Report
粒子破砕による粒度分布の変化とその影響を考慮した土の構成モデルの開発と応用
Project/Area Number |
20860045
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊本 統 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 助教 (90508342)
|
Keywords | 地盤材料 / 構成モデル / 粒子破砕 / 限界状態理論 / 粒度分布 / 弾塑性 / 間隙比 / 連続体 |
Research Abstract |
土粒子は杭先端部など激しい応力変化を受けて破砕し,粒子破砕は土の粒度変化を引き起こす.粒度特性の変化は土の応力ひずみ特性に不可逆な影響を及ぼすことが予想され,例えば,杭の打設前後では,周辺の土の性質は極めて異なる可能性がある.したがって,粒度変化を伴う地盤の変形・破壊を議論するには,粒子破砕等による粒度変化の影響を適切に考慮した地盤材料の構成モデルによる数値計算が不可欠となる. 既往検討では,粒子破砕を生じると細かい粒子が増えて土の粒度分布は広がり,細かい粒子が間隙を埋めることで土はより密にパッキングされるため,限界状態での間隙比も同様に低下する.研究代表者はこの点に着目し,土の構成モデルとして幅広く使われている限界状態モデルを粒子破砕の影響も考慮できるように限界状態線を移動させることで拡張する方法を開発した.提案手法では,密度と拘束圧の状態変数(同じ拘束圧下での限界状態間隙比と現在の間隙比の差)が土の強度を決めると仮定し,応力変化に伴う粒子破砕は限界状態の位置を下げて状態変数を増加させると仮定してモデルを定式化した.また,提案モデルではシンプルな粒度指標を現在の粒度を表す指標として定義し,過去の研究成果を参考にしながら粒子破砕に伴う粒度指標の発展則を規定した.そして,粒度指標の増加を限界状態線や等方圧縮線の下降量と関連付け,粒子破砕が応力ひずみ特性に及ぼす影響をモデル化した.提案モデルによる解析結果より,提案モデルは,例えば密な土をせん断して破砕が生じる際のピークせん断強度やダイレイタンシーの減少など実測値に見られる傾向を再現できることが確認された.
|
Research Products
(4 results)