2008 Fiscal Year Annual Research Report
移植細胞の非侵襲定量評価のための積分球光学系を用いた赤外分光解析手法の開発
Project/Area Number |
20860052
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 克典 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (20512073)
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Keywords | 赤外分光 / 積分球 / 幹細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
安全な再生医療早期実現化のための移植細胞の非侵襲定量評価技術として、積分球光学系を用いた生細胞の赤外分光解析システムを開発し、赤外吸収散乱理論を利用し光学定数(吸収係数および散乱係数)を算出することで細胞の分化程度を決定する方法論を構築すること目指している。本年度は下記について検討を行った。 1.生細胞分析のための積分球光学系の開発 生きた幹細胞(液体混合下)の正確な赤外分光分析を達成するために、積分球を用いた光学系を構築した。開発した光学系で拡散透過率を測定可能なことを確認した。また、生細胞を正確に赤外分光分析するためには、測定光路中に均一に留めるか、一定流速で細胞を流す機構が必要であり、マイクロシリンジポンプを利用したマイクロフローセルについて検討を行った。現状、測定光路中に細胞を導入する部分に問題があるため、積分球光学系内で細胞浮遊液を効率よく赤外分光計測可能な細胞計測部(マイクロフローセル)の開発を次年度も進め、幹細胞の積分球を用いた赤外分光分析を達成する予定である。 2.間葉系幹細胞・骨芽細胞分化の赤外分光分析 幹細胞の分化の程度を非標識的に評価するためには、分化由来の分子振動を特定する必要がある。現在臨床研究が進められている間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に着目し、分化によって経時的に変化する赤外吸収バンドを検討した。波数1032cm^<-1>のリン酸基(P-0伸縮振動)由来の赤外吸収バンドで骨芽細胞分化を定量できることを見出した。
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